(2002年7月号)

  梅雨期のサッカー騒ぎ[人生教訓]への飛び入り '02.06.19
 6月の1ヶ月間は、やたらに勝った!負けた!だと騒がしかったですね。中には騒ぎ過ぎて、清子さんに怒られた人もいたことでしょう。テレビアナウンサーは、枠に囲まれた網の中に球が入ると「ゴール!ゴーーーール!」などと絶叫し、☆泉さんは無闇に「感動した!」を連発するしマア。こんなに感動する人は、たぶん心が若く心の振幅が大きいのでしょう。この分では、感動し過ぎた後の、あの貴□花には大失望しているでしょう。兎に角このサッカー騒ぎで、大事な有事の話が変な方向に進まないことを願ってます。風太朗は「ひまわり」に乗っているつもりでも、最近、どうも世俗が気になって。これを[マスコミ・シンドローム]と言うのですね。

 

 何しろ日本の伝統的な仕組みとして、軍隊が国民を守るのではなく、国民が軍隊を守るのですから。日本の城を見ると、城が堀や門や石垣などで幾重にも囲まれているのに、民はその枠外に住んでいたようです。そして、イクサになると駆り出されたり、城下町は焼き払われたりし  〃  からね。先の沖縄の戦争でも、兵隊は洞窟や防空壕に隠れて息をひそめ、民は四十でも山野を逃げ惑ったと言われます。

 

 最近の情報公開騒ぎでも、日に三省どころか、過去の反省のひとかけらも防□庁に見られません。従って、問題の有事立法も「有事の際、国民を守るために自□隊は、何をどうするのか」という事になりそうにないのです。黄門様は大丈夫かな〜?

 

 しかも、サッカー観戦のため国会日程を変更したり、この大事な時期にずいぶん民も嘗められたものです。でも、あのバカ騒ぎを見れば、タミのカマドは賑わいにけり。という感じで楽観予測を出し続けていれば、「そのうち何とか、な〜るだろ〜」と、人ごとのように全然平気なのでしょう。では、民を誰が守るのでしょうか?

 それは、「正直の頭に神宿る」。我が国では八百万の神に任されていることを発見しました。そのため「供えあれば憂いなし」と。風太朗は頭上の神へのお供え、つまり正直一途、自□自□的準縄文生活を進めることの正しさを再確認したのです。

@さて、オリンピックはお天気のいい10月にやったのに、サッカーは、お天気の悪い6月に何故やることになったのか?というお問い合わせ。もっともなことです。 でも、答えは簡単です。サッカー場に屋根があるので、いつやっても大丈夫だからです。エ!違うって?。マアいいじゃないですか。ズブ濡れでもやれる事だし。

A更問:雨は大丈夫でも、6月は湿度が高過ぎて困るのでは?下表を御覧下さい。

 表 東京の月別平年値(1971〜2000平均)これが2001〜2010年の基準として使われる

  月  3  4  5   6  7   8   9 10 11
平均気温(℃)
湿 度 (%)
降水量(mm)
日照時間(h)

 
  9.1
 57
114.5
159.2
 
 14.5
 62
130.3
164.9
 
 18.9
 66
128.0
180.9
 
 21.9
 73
164.9
120.1
 
 25.4
 75
161.5
147.5
 
 27.2
 72
155.1
177.5
 
 23.7
 72
208.5
112.9
 
 18.4
 66
163.1
129.9
 
 13.2
 60
 92.5
141.4

 

 念のためこの湿度は「相対湿度」です。同じ値の場合、気温が高いほど空気中に含まれる水蒸気量が多いです。これからすると6月は7月〜9月より気温は低いし、湿度も低〜やや高目ですから、必ずしも悪い時期だとは言えません。でも、6月を鬱陶しく感じるのは日照が少ないため、湿度も高いだろうと決めてかかるからかも。  ちなみに、1日の湿度変化はどうでしょうか?空気中に含まれる水蒸気量は普通、大きく変わらないので、気温の変化に従って湿度が変わります。つまり気温の高い日中が最も□く、夕方にかけて次第に□くなり、低温の朝方が一番□いようです。 それでいて朝方を一番清々しいと感じる。これも、気の持ちようなのでしょう。

Bそこで、お天気も気の持ちよう、ということで「人生教訓」に飛び入りしました。 これは佐村和尚さんのバックアップで、一気に盛り上がってきて結構なことです。 特に6月号のは、風太朗の好きな言葉や座右の銘のオンパレードでした。まず、・巧言令色鮮し仁: 〃 HPにも掲載してあるように、風太朗人生そのものです。 が、これは反省材料でして、むしろ、これに続く言葉が理想的のような気がします。・日に三省:本誌2001年8月号に、領家さんのカラコルム登山がらみで掲載したところですが、御相談ではウロ覚えのことを伝えることのないよう、特に心がけています。楽屋裏の事情を明かしますと、合格率の低いことだけが有名な予報試験ですが80%正解で「合格」です。この割合からすれば本コーナーも5つの質問中1つを間違えてもいい筈なのですが、御相談では全問正解でないと都合悪いです。 お電話ですと、資料を確認しないで答えることが多いし、特に、週前半の午後は眠い?ので、間違えやすいです。ですから皆さん、少しでも「おかしいナ」と思ったらすぐ「本当?」と聞き直して下さい。間違いが避けられて本当に助かります。 ・古きを温ね新しきを知る:まさに統計分析。お天気では例の「気候値予報」です。・十有五にして学に志し・・・風太朗が、原稿用紙を汚すことを趣味とするきっかけになった随筆?に、「若さと年齢について」(1970年発表)があります。実は、その文の柱として引用した言葉がこれでした。「我々は、この年齢に対応した成長は無理だから、むしろ心の若さを保とう・・」というような提言的な内容でした。  なお、風太朗が「人生教訓担当」の米田さんに初めて会ったのは1966年 〃 。36年前のことです。あれから歳月は経ちましたが、お互いジョギングで足腰を鍛えながら、心の若さを保ってきましたから、少なくとも平均的な同年輩より心身ともに若い筈です。が、これが却って老熟?した同年輩や後輩からさえも軽く扱われ、癪に障ることがあります。その際、修行の足りない風太朗は、一発ギャフンと言わせるにはどうしたらいいか?等と考えたりもします。性悪説実証中のこの世俗を、人生教訓に則ってまっすぐ歩くには、かなり強い心が必要な気がしますが、どう?

C次は、またエルニーニョ:気象庁は6月10日、エルニーニョ現象が「今夏前半に発生する可能性」と発表しました。実は、気象庁は3月に「今夏の発生」を発表していたのを、5月に「やや遅れ夏以降」と修正を行い(本誌4月&6月号参照)。今回また再修正したのです。[過ちて改めざる、これを過ちと謂う]。発表済みの事でも素直に 〃 する。立派なことです。ここでは、長期予報が難しい事のお察しを。

D次は梅雨。5月の「梅雨のはしり」の後、しばらく好天が続いたので、もうこのまま夏か?と思うほどでしたが、6月11日、平年の3日遅れで梅雨入り。そこで、問:地球温暖化では、降水量は多くなるのでしょうか?少なくなるのでしょうか?答: 〃   〃    〃   〃  とも、少なくなるとも予測されて、何とも言えないようです。が 〃 強度は、熱帯のスコールからも想像出来るように、強くなると言われてます。そのため土壌が浸食されたり、一気に川から海へ流れ出て、利用されない割合が多くなります。ですから温暖化で蒸発量が多くなることに加え、   〃    も 〃 るしで乾燥地帯が増えるようです。内陸は乾燥し肥沃な耕地が減り、海岸の平野は海面の上昇で削られるし、どうもいいことが少なそう。

 これに関連し某省は5月27日、地球温暖化の農作物への影響を発表しました。60年後、関東以西では米の10a当たり収量が15%減(日本農業新聞5.28)と。 ちなみに、地球温暖化の影響については、風太朗も統計的な方法で100年後の米の収量予測を発表してあります(本誌2001年6月号参照)が。こちらの方が、考え方が単純で分かりやすいような気がします。この際、近刊「米の食味と影響する要因・・・」と、併せてお読みいただき、何かの参考にして下さると幸せ!とPR。 ・お申し込みは:メールで[kazetaro@srenai.gr.jp]宛、「米予測関係資料送れ!」と。