(2002年9月号)      暑い夏&雷の被害そして暑さのピークはいつなのか?     '02.8.21  
 ヨーロッパでは8月になって大雨。多くの国で洪水等で大変な騒ぎのようですね。
 一方、本邦では今年の夏は「平年並み」という予報に反し、北日本は低温多雨、それ以外は高温少雨となりました。そして関東地方では、8月1日から4日連続して雷がありました。それも、おおむね北関東で始まって次第に南下して東京、横浜方面へという動きをしていました。ですから房総半島でも雷は東京湾側までで、太平洋側では雷も雨も無く夷隅の有機畑はカラカラ。どうもうまくいかないものです。
 このため、里芋はやっと生きているだけでさっぱり育ちません。コンニャクイモもダメだし、ブルーベリーも枯れ、リンゴは落果するし、元気なのはコスモスだけ。
 ということで、雷の季節が終わりかけてからの雷報告ですが、参考にして下さい。
 なお、雷被害の防止については、既に本誌'00年10月号でお知らせしましたので、多少ダブりますが、夏場、野外活動を行うことの多い現代縄文人の防災のため、雷の身近な回避方法と、8月2日相談所船橋山手支店での落雷被害状況を報告します。
 @はじめに雷の回避方法:これは主に北川信一郎という雷博士が書いた本からの受け売りですから、もっと詳しく知りたい方は↑の先生の本を探してお読み願います。

*電柱があるところは一応安全ですが、電柱から2m以上離れることが必要。また、
*高い木の下を通ったり、雨宿りしてはダメ。木の枝の先から2m以上離れること。これは電柱と同様、落雷した場合2次放電(枝分かれ放電)の被害を受けるからです。
*金属を捨てても全然安全になりません。雷様は人間も金属も同じように扱うようなのです。金属はやたらに捨てないで、頭より低く持って、逃げればいいのです。
*縄文人は野外作業が多く、やりかけの仕事を中断するのは勿体ないでしょうが、雷の時間は大体1時間以内で終わります。安全な車や家の中に早めに逃げ込んで、通り過ぎるのを待ちましょう。逃げ遅れた場合でも慌てることはありません。
落雷間隔は約1分あるそうですから、落雷直後の1分間に、安全な場所に移りましょう。
A雷被害の報告:眺望を売り物にしていた相談所船橋山手支店ですが、逆に頭が高いのが災いして8.2に落雷。エレベータが故障ストップしたり、玄関から各戸へのインターホンが故障したりで、急遽全戸対象にした被害調査を実施したりの大騒ぎでした。最新式の設計?とか何とか言っても、雷様にはお手上げのようでした。避雷針は、建築基準法で高さ20m以上の建物に、設置が義務づけられているので、屋上に多数立っているのですが、逆に雷様を呼び込むことになってしまったのかも。
 ちなみに、そのJIS規格の避雷針は、建物の破壊や出火を防ぐことは出来ても、電気機器の安全まで保障するものではないそうなのですよ。最近では、電気機器の安全のために、エネルギー耐量?の大きい避雷器が開発されているそうですが、当支店の建設の際には、そこまで金が回らなかったのでしょう。この落雷で、風太朗が困ったのは、全戸加入のインターネット接続を運営している会社のホストコンピュータまで壊れてしまい、LANの復旧に10日ぐらいかかったことです。それと、夷隅でも8月16日ニワカの雷雨で、ソバ播きを1週間延期。雷には困りました。
 なお、日々刻々の雷情報は、東電のホームページで。更に8月1日からはNHKも始めました。これらを利用して雷被害を防ぎましょう。
B次ぎに、8月12日の深夜開催のペルセウス座ナイトショー見ましたか?雲があったりで、観測条件が悪かったですが、それでも30分に7〜8個は見えました。

C次ぎは、1年中で一番暑い時期は何月何日頃か?とのお問い合わせに対する回答。
 関東の主な地点の最高気温の日別平年値を調べてみました(図−1)。              

     (図−1のグラフは省略。「相談集」でどうぞ。)                         
図−1 地点別最高気温の日別平滑平年値(7.24〜8.23)

 これによると、熊谷、前橋、東京あたりの暑さのピークは8月2〜5日頃に、館山、銚子、大島(伊豆)では8月12日〜15日頃と、明らかな違いがありました。 多分これは、比熱の大きい海の影響によるものでしょう。
 つまり、海は陸に比べ暖まりにくく冷めにくい。だから海に囲まれた銚子や大島が、熊谷や前橋よりピークが遅いし、かつ涼しいと。参考までに青森も入れてみましたが、青森の夏は銚子より暑いのですね。銚子の夏は、涼しい涼しいと聞いてはいましたが、これ程とは。
 ちなみに、暑中見舞いを出すのは「立秋」までで、それを過ぎたら「残暑見舞い」だと言われていますが、この基準では、東京や千葉市の人宛てにはいいとしても、館山や銚子の人宛てには、お盆頃まで「暑中見舞い」でも良さそうな気がしますね。
  Dついでで何ですが、冬の寒さの底についても調べてみました(図−2)。    

           (図−2のグラフは省略。「相談集」でどうぞ。)    
     図−2 地点別最低気温の日別平滑平年値(1.20〜2.19)

 銚子や大島の冬は宮崎と同じぐらい暖いのですね。これはもちろん海の影響です。
 一方、低温の底の時期ですが、熊谷〜千葉〜東京〜銚子が、ほぼ同じ時期ですが、これは、季節風の温度に従っているのでしょう。関東の冬はほぼ一様に北西風が陸上を吹いているので、その低温の時期と各地点の温度の底が同じになるのではと。