(2004年6月号)       メイストームと風速について             
                                                              '04. 5. 9 

 御無沙汰しました。積もる話が多いので、少し話題を戻して:この冬は暖冬のため東京の桜の開花は3月18日、観測史上2番目の早さでした。その後も暖かさは続いています(図−1省略)。年次推移を見ても近年の昇温が急です(図−2省略)。この傾向は一時的なものなのか、地球温暖化が予想以上に進んでいるのか気がかりです。温暖化の過程では異常気象が多発すると言われているし、そして人類の絶滅期を少しでも先送りするためにも、省エネ縄文生活を普及させたいものです。さて、


  @4月27日、5月4日と2週連続して、日本海を進んだ低気圧によって各地で強風が吹きました。「メイストーム」ですね。4月27日、室戸岬では最大瞬間風速43.7m。東京では32.2m。5月4日のは、千葉で32.3m。神奈川では大凧が落ちたりして・・。その低気圧は、それぞれ北海道の西とオホーツク海にあったのに、低気圧に近い地域より、はるか遠い太平洋側で強風だったのはなぜか?
 答:以前このコーナーで、温帯低気圧と台風の構造の違いを図示したことがありますが、温帯低気圧から南西に伸びる寒冷前線が大きく影響しています。寒冷前線は寒気が暖気を押しのけながら進んで来ますが、寒暖の差が大きく進む速度が速いほど、押しのけられる暖気の流れが強くなり、それが北にある低気圧に向かって流れ込むので、寒冷前線の前側で南寄りの強風となり、しかもこの前線は2000km以上も長いため、低気圧から遠く離れた所でも強風になるわけです。寒冷前線の通過時には、強風だけでなく雷や強雨など激しい現象が発生するので要注意。一方、台風は、海面から暖湿気流が上昇して、それを補って周囲から空気が吸い寄せられる形で風が起こっているので、台風に近い所ほど強風になります。更に、関連して、
 A日別の「最大瞬間風速」、「最大風速」、「平均風速」は何か?紛らわしいですが。
  答:最大瞬間風速は、文字通りその日に記録した最速を。最大風速は、10分間毎の風速の平均値(6×24)144個中の最大を。平均風速は、毎正時前10分間平均風速24個の平均です。図−3のように、この3者間には大きな差があります。ちなみに、最大瞬間風速と最大風速の比を「突風率」といい、約1.5〜2とか。

お知らせ(この4月当相談所は完全民営化しました)  昨年、それとなくお知らせしましたが、当相談所はこの3月末に「霞ヶ関出張所」を廃止し、完全民営事業として再スタートしました。相談員一同気分一新、この民営化を契機として、更なる研鑽に励み、かつ縄文会オカカエの名に恥じないサービスに努める所存であります。従来にも増した御利用を、よろしくお願い致します。
 なお、民営化に伴う事業拡大により、本支店間の情報交換や野外業務が増加しているため、お問い合わせはメールで[kazetaro@srenai.gr.jp]宛いただけると幸せです。