(2009年11月号)
今夏の不順な天候と稲作、農作物の病害虫対策などなど'09.10.15
 
 この夏は各地で梅雨明けが遅れ、奥州、北陸で梅雨明けが特定できなかったり、倭海側〜坂東〜北倭で少照など天候が不順でした。
で、全倭的に稲作「やや不良」。それより、昨年からこの2年間は、台風の上陸が無いし、大きな自然災害も無くて何よりと思ってた途端、
10月8日台風第18号が、最近10年来の最強的勢力で来襲、知多半島に上陸。
信州〜上州〜奥州東沖へ抜けるコースで、倭列島を縦断しました。
収穫間近のリンゴなどに被害。九十九里や常陸では竜巻も発生。
ボクの畑では、スクスクと育って開花中だったそばが倒伏。刈り取りに困りそう。
一方、
9月30日は未明に南太平洋サモア付近で、夜はスマトラ沖でまた大地震。
10月8日にはバヌアツ(南太平洋サモアの西。ガダルカナルの南東)で大地震。
倭区でも8月11日に、問題の東海地震の想定震源域の駿河湾で、強い地震がありましたが
被害も少なかったし、東海地震には関係ないというので一安心。
でも油断禁物。防災の第一は「自助」。先ずは、タンスに転倒防止金具を取り付けましょう。さて、
 
@今夏の日照不足と水稲の作柄:太陽光発電の報告を兼ねて、下図を御覧下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 太陽光発電は、直射日光だけでなく、全天からの日射エネルギーによって発電しているものです。
同じように農作物も、全天からの日射エネルギーによる光合成で生長しているものですから、
発電量の様子を見れば、農作物への影響を判断すことが出来ます。
稲作へ影響の大きい時期、6〜8月の発電量は前年の88%でした。
 一方の「日照時間」、現在は「日陰が出来る程度以上の強さの直射光の当たった時間」を自動観測していますが、
従来からの「青写真感光紙にピンホールを通して出来る直射光の跡を人が計測する」(ジョルダン式日照計)の観測結果など、
長年の蓄積があるため、一般には日照時間が良く使われています。茂原観測の6〜8月計は前年比81%。
でも、農作物への影響を検討する場合は発電量の方が正確かも。
 
 ついでで何ですが、この11月から東電の太陽光発電の買い入れ価格が、従来の約2倍の48円/kwhになりました。
これで、普及するための世俗最大の課題である採算=回収年数が大幅に短縮。
普及が加速すれば、地球にも良いしボクも嬉しい。
 
A4年目の「ちばエコ米」栽培:刈取り前の感じでは、マズマズと思っていたのに、やはり、夏の日照不足がタタッタようで小粒。
屑米が多く、前年よりかなり不作。
 でも、この天候不順にも病虫害がほとんど無く品質はマズマズ。安心しました。
この病害虫の防除ですが、周辺の田では農薬を撒布しているのに、ボクの田は防除しないため、
毎年、カメ虫の吸害と、稲コウジ病の発生を心配しながらの稲作です。
このうち稲コウジ病の黒粒は、発生しても揺動式選別機で除去出来ますが、カメ虫斑点粒の除去は無理。
で、毒も無く食味にも影響が無い粒の、しかもその0.1%の発生を防ぐために、稲を農薬マミレにできないと、固く決めてはいても悩みの種。
(このカメ虫問題は。伊藤和代さんの御意見=本誌298号=が参考になりました。)
 
Bそれと、古代米(黒い糯米=普通の白米に少し混ぜて炊くと、赤飯のように出来上がり、
栄養価が高く健康にも大変良いと評判の米)栽培を、今年から始めました。
 稲作体験希望の人達と、種まき〜手植え〜手刈り〜オダがけ〜足踏み脱穀〜天日干しまで、
ほとんど昔ながらの方法で行いました。長柄町で行っている体験米作りの夷隅版というところです。
稲作体験は初めてという人が多かったし、田植えも稲刈りも足踏み脱穀も、それぞれ10時頃から始めたので、
夕方までかかるかと思っていましたが、始めると次第に調子が出てきて、それぞれ午前中に終了しました。
 稲刈りでは、研ぎたての鎌なのに初めは、切れない!切れないと言っていた人も少しずつ要領を得て切れるようになり、
普通の鎌は、だんだん切れなくなってくるのに〜と大笑い。そして、収量は64kg/50坪(10a換算384kg)でした。
 古代米の収量は一般品種の約半分と言われている中で、これはマズマズ。
早速、白米に5%ほど混ぜて炊いてみると、きれいな赤飯に。
そして肝心の食味食感は、モチ米の効果なのか大変良く、その日から我が家の御飯は毎日赤飯になりました。
 そこでイソイソと、近くの農産物販売所に出品、Aのエコ米の隣に並べました。
しかし、どうも「古代米」の良さを知らない人が多いためか、売れ行きはマバラ。
何事もPRが大切かと、それ用のペーパーや見本品を作ったりしています。
 
次は、
C野菜の完全無農薬栽培:畑では、虫と草相手に、素手や鍬鎌で苦戦しています。
 まず、種を播いて芽が出揃ったと喜んでいると、数日のうちに、ほとんどの芽がコオロギやバッタ、
根切り虫に食われて、茎の下部だけが土に楊枝を刺したように残ります。
運良く楊枝にならずに育つと次は青虫。見回っては手でつぶしています。それに草取り。
近所の人が殺虫剤や除草剤を教えてくれますが、使う気にならず、毎日暗くなるまで畑にいます。
腰曲がり夫婦にならないよう気を付けたい。
 
それと、
Cそば:台風などで倒伏折損しましたが、11月上旬収穫予定。
これから日暮れが早く楽しみ時間が短いですが、来春までは食味保証。お待ちしています。
 
それと、
D台風が海上にある時に、気圧や風速はどういう方法で観測しているのか?との御質問
答え:ひまわりの雲画像から推計しています。多少の誤差はあっても安全・効率的と。