ちばエコ米=減農薬減化学肥料の特別栽培

            2006年産 (認証番号=08A0601002)  ・・・07年産、08年産


基本的な方向   2作業日誌田植え航空防除 、収量と食味  3 今後の日程   参考1生育追跡調査 参考2茎数調査 参考3教訓と反省


 いよいよ2006年から、御期待に応えかつ公約どうり水稲「ちばエコ米」栽培を開始しました。それも、減農薬減化学肥料の「特別栽培」です。
圃場は、超良食味米の産地として昔から有名な「国吉耕地」です→新米のPR、食味コンクール

 (1)本年は生産量に限りがあります。早めに御注文を。玄米でも、精米でもどうぞ。
     (玄米30kg=10,500円+送料約1200円。精米10kg=4500円+送料約900円)。・・・こちらへ←お問い合わせを。
   (2) 玄米30kg単位での御購入され 「家庭用精米機」で毎日炊飯の直前にお好みに合わせて精米すれば、いつでも超美味しくいただけます。
   (3) 精米で御注文の場合、白米か7〜8分づきと御指定されれば、多少精白度に差をつけてお届けします。


1  基本的な方向 

   小規模高齢農家の励みになる、縄文式環境保全型農法、つまり今風に言えば「遊喜ロハス農法」の確立を目指す。取りあえず初年度は、1区画(30a)で行いながら次年度以降の拡大を検討する。
   @ 必要な機械は、作業を進めながら、いいのがあったら少しずつ揃えていく。
 A 荒起こしはトラクターに依頼し、耕耘〜代かきは、我が家伝来の耕耘機で行う。
 B 苗は、初年度は注文する。・・・育苗は高齢農家の得意分野かもしれないので、次年度以降自家育苗を検討する。
 C 田植機は、面白そうなので是非買う。→→これを買った
 D 無除草剤を目標:初年度は除草剤1回施用、その後は縄文式除草機で行う。

 E 無化学肥料:初年度は減化学肥料+減農薬・・・収量目標7.5俵(450kg)/10aと、低水準で。
 F コンバイン〜乾燥〜籾摺りは依託する。・・・一般農家でも依託が進んでいるため。
 G 作期:作業依託を考えて、一般農家の一番遅いグループとする。
 H 米の販売:初年度は農協出荷を中心とするが、全量個人販売を目指す。
 I 米や生産資材などの運搬用に軽トラが必需品かもしれないが、とりあえずは我が家伝来の、この耕運機で行う。
 J 品質の劣化を避けるため、当面は販売を翌年4月頃までとするが、軌道に乗れば「保冷庫」を設置した通年販売も。

 

 

2  作業日誌(進捗状況)

2005年9月18日:貸借契約を解約し、いよいよ栽培に向けて動き出した。
・10月9〜10日:近所の吉野久夫さんに稲作に当たって概要を聞いた。
 それによると、
 @厩肥(発酵)撒布は、手作業は無理。撒布する機械を持っているので、それを使ったらどうか。
 A荒起こしは、乾いている田は堅いので、トラクターが良い・・その後は耕耘機でも。
 B農機を求めるのは、インターネットで割安がありそうだが、修理などを考えると、農協などが良い。    
 C普及所に相談すれば、いろいろ親切に教えてくれる。・・・と。

・11月14日:普及所へ相談に行った。岩見普及員リーダーさんと、約40分。
 @田の条件がいろいろあるので、初年度は前の人の栽培方法を基本にして行い、慣れてから改善が無難。
 AC県が提唱する「ちばエコ米」や、JAの「もっと安心米の栽培方法を参考にしてはどうか。
 B厩肥は、撒布労力や肥効が遅れたり、ガスの発生や雑草の種など各種不都合が生じ初心者には難しい。など、と。 

・その帰り道、さっそく今年まで栽培していた古市千也さんから、
 @栽培品種、作期、除草剤と肥料の施用時期、品名、回数、量など
 Aこの地域では7月頃、病虫害(イモチ、カメムシ用)の航空防除があること
 B圃場の様子、特徴(深い箇所や肥効のムラの有無、水持ち、注意点)
などを具体的に聞いた。

・11月20日:初年産は、堆厩肥の施用は行わず、次年から検討することとし、そして、
・11月21日:トラクターによる第1回耕耘=荒起こしを、近所の吉野浩雄さんにやってもらった(標準耕耘料17,700円)。

・11月30日:@普及所へ、前作の古市さんから聞いた栽培方法等を参考に、岩見リーダーさん、椎名普及員さんと相談=約1時間。
  県が提唱している「ちばエコ農産物」の、減農薬、減化学肥料栽培で行うこととし、栽培計画書用紙などをもらった。
そして、12月12日ごろ、普及所へ持参して、相談することにした。
  A普及所および農協へ、田植機探しの依頼をしたが、見込みなし。・・・吉野浩雄さんが、茂原へ農機具リサイクル店があるので、そこで探したらどうかと。
・12月4日:母の1年忌の法事の際、田植機の話をした。
  しかし、親戚の皆さんの話では、農業をやるとなると、トラクターも軽トラも作業場の整備も必要になるし、その他いろいろ経費がかかり大赤字必定、止めた方がいいと不評。「農業」ではなく、「道楽」になってしまうか。・・・とにかく大赤字にならないようにしたい。
・12月11日:隣の吉野順雄さんから、 人力型水田用除草機 ↓を譲り受けた。

縄文式「除草機


・12月12日:JAいすみの「もっと安心JA米」への入会は、締め切ったというので、やむを得ず個人参加で「ちばエコ米」に取り組もうと、
午後、普及所へ「計画書」案を持参して相談。
 椎名普及員さんが、@厩肥とか有機栽培は、肥効がゆっくりしているため、登熟期にも窒素が効いてしまい食味を落とす。食味のためなら、肥効を調整しやすい化成の方が良い、A海水農法やBMとかEM液肥などのミネラル栽培は、どうも数字として表されるような効果が出ないようだし、またミネラルには、燐酸が含まれないため、別に燐酸施肥が必要の筈、B海水農法で雑草が出なかったのは、ジャンボタニシの食害によるのではないか、など、いろいろ教えてくれた(約40分)。
 そして、一人でやるよりもグループに入った方がいろいろ都合が良いと言い、「ちばエコ米」作りをやっている「国吉米匠の会」に相談してくれるという。
・12月19日:椎名さんから、「国吉米匠の会」も06年産の加入は締め切ったので、06年は、個人で計画することにして、その会の行事などに参加させてもらい、実質的にその会と並行的に行ったらどうか。そして、その会の行事などを椎名さんが、連絡してくれるということになった。

2006年1月2日〜3日:隣集落(荻原)の親戚が、その圃場近くでも栽培しているので、作業全般について相談、協力を依頼した。ただし、兼業農家で忙しいため、刈り取り〜乾燥、籾摺りは、ボクも作業に参加するということで依頼した。
・1月6日:椎名普及員から、ちばエコ米生産計画書案を作成したから、見て正式に提出してくれという連絡。→13日(金)に行うこととした。
・1月13日:ちばエコ米生産計画を普及所へ提出
・1月16日:JAいすみ「経済センター」へ行き、ちばエコ米の窓口である田中さんに、挨拶かたがた今後の相談。
     計画書どおり(こしひかり60箱)、肥料(基肥6袋、追肥3袋)、農薬(除草剤)を注文した。
     そして、農機具店へ行って、田植機(中古)を聞いたが安くていい物は無さそう。何しろ新品を売るのが商売だし。で、
・2月3日:経費削減と環境保全のため、茂原のリサイクル店へ行った。が、田植機の在庫無し。長生村の同業者を紹介してくれたので、行ったところ、2条植え3台と3条植え1台があった。しかし、4条植えでないと田が大きくて不都合とて見送り、もし出てきたら連絡してもらうことにした。
2月15日:18時〜JAいすみ経済センターでの、国吉米匠の会のちばエコ米生産講習会に出席。参加者約20名。
椎名普及員の講演を聞いた。まだまだ分からない所があるが、それでも、少しずつだんだん分かってきたと思う。

   椎名普及員の主な講演事項                具体的な内容
1 ちばエコ米基準の確認 ・化学肥料チッソ成分=4.5kg/10a以下であること
・化学合成農薬成分=1年間7成分以下 〃
  ボクが使う予定の
 @「ミスターホームランLフロアブル」は3成分
 A農協苗は2成分・・このため農協を止め国吉匠の伊太知衛会員に注文を変更
 B7月の航空防除「アミスタートレボンSE」は2成分
・活力剤などで登録の無いものは使えない
2 年間スケジュール ・作業日誌の記帳・・6月下旬「作業日誌」を回収してチェック
・圃場への看板設置、現地審査(7〜8月)
3 大粒コシヒカリづくり ・大粒ほど美味→売れ行きが良い
 u当たり穂数と1穂籾数を少なくする→登熟歩合が上がるし粒も大きくなる
 @土作り=有機物+深耕
 A中干し=坪60株植えの場合1株17本になったら中干しを行い、無効分げつを抑える
 B穂肥を必ず適期にやること。幼穂1cmに施肥(7.10頃)
 C間断灌漑を、なるべく収穫間近まで続ける。田を余り早く乾かさないこと
 D夷隅では早刈り傾向。少し遅いと思うぐらいが適期。
 Eグレーダーの目は1.85〜1.9mmで。目が大きくても収量ほとんど変わらない
4 千葉県の新しい奨励品種の紹介 ・ちば28号=愛称「ふさこがね」・・・コシヒカリに比べると
 @中生で、成熟期は10日ほど早い
 A短稈で、倒伏に強い
 Bいもち病、耐冷性ともに強い
 C収量多く、大粒でコシヒカリ並の良食味

 JAに注文した苗では、農薬の成分が「+2」カウントされて、年間合計で7成分となってちばエコ米の条件(7成分以下)達成が厳しくなるので、急遽、苗のJA注文を解約、国吉米匠の会員の伊太知衛さん(水稲10数ha経営の大規模専業農家)に育苗を頼み、苗の農薬成分カウントを「0」とすることにした。

・2月28日:頼んでおいた茂原の店から、いい田植機があったとの電話あり。時期的にも最高のタイミング。
3月6日:その 田植機を購入。

歩行型4条植えクボタSP4−HD」型高性能田植機


縄文人は歩行型に限る、サンマは目黒に限る。

・3月13日:水田作業用長靴を買った(4,180円)。
・3月18日:クボタ大網営業所に寄り、田植機の取り扱い説明書を購入(788円)。
      注文していた肥料(20kg入り9袋)と除草剤(500ml3本)が農協から届いていた(25,812円)。
・3月20日:田植機の「ミッションオイル」をJAで買って交換(2L=1,150円)。・・植えツメは田植えまでに更新する。
・3月21日:産土様=八所神社の春祭りに参列。五穀豊穣を祈る。この際、皆さんから、
    ア 田植えまでの耕耘〜代かきを、1日で一気にやると、水持ちが悪くなるなど不都合が出やすいので、3回ぐらいに分けて行うのが良い。
    イ 今年で稲作を止める農家があるので、トラクターや肥料撒布機などを譲って貰ったらどうか・・
    ウ 来年から、もっと規模を拡大して作ってくれ。
    エ 慣れない事だし、身体に無理をしないように・・・。
  などと、いろいろ助言あり。そのため、この会の後直ちに、稲作を止めたという農家に、農機具譲受を打診。検討を依頼した。
  また、午後、ボクの田の直ぐ横の田で、古市さんがトラクターをやっていたので、当面の田作り作業の方法を聞いたところ、上記同様な助言を得た。同時に、楽しみにやるのだし、小面積なのだから手作業中心でも十分やっていける。この付近にも、耕耘機でやっている人が何人もいるから、大丈夫と励まされた。
  そして、田の水の落とし口を、適当な高さに板で水止めして水入れ。・・・そのまま水入れ放置したので、入りすぎてしまうかも。・・・古市さんがちょうど良い程度に水を入れてくれてあった。

・3月22日:雑報「縄文」4月号へ、本年の稲作計画とちばエコ米生産をPRした原稿を提出
・3月26日:元肥(「有機アグレット673」120kgを撒布。バケツに入れて手撒き=約1時間45分。
・3月27日:耕耘。荒起こし後第1回目の 耕耘機での作業=約5時間。耕耘機や車輪などの運搬、田の周辺作業を含め朝〜夕方6時過ぎまでで一段落。

耕耘状況:3月27日

81式イセキKA750G型=セル機能付きの元最新鋭機)


・3月28日:田の漏水防止や4隅の整地など周辺手作業、8時半〜12時まで。
・4月3日〜4日:第2回耕耘。強風で波高く、やりにくかった。
4月9日:付近の田では、田植えが始まった
・4月10日:ちばエコ農産物をPRするホームページ「ちばエコ農業情報ステーション」掲載用の申請書を、普及所へ提出した。 その帰路、苗作りを依託している伊太知衛さんに、田植え予定日を連絡。

4月12日:大雨。房総南部では洪水土砂崩れなどの被害多発・・・ここ「いすみ市」周辺にあるアメダスの「降り始めからの降水量」は、茂原147.5mm、大多喜132.5mm。房総の山奥の坂畑(亀山)では何と264mmとか。既に田植えした田では、浮き苗の発生なども予想される。一方、施肥耕耘後「代かき」待ちの我が田では、肥料混じり泥水流出。もったいない。
・4月13日:クボタ営業所へ寄り、田植機の爪1本を購入(998円)。帰宅後直ちに交換した。
・4月14日:代かき(田植え前8日)。約3時間で終わった。途中燃料切れも。
 水田用車輪などの運搬には、 これ↓で行ったが、バックの際リヤカーを田に落としてしまい、隣の田で作業中の荻原深谷(フカヤツ)の人に押してもらい、ようやく脱出。

伝家の耕運機
クボタZEN-NOH ZT5型

車輪の取り付け幅が狭く不安定、という御指摘により、
この後、少し広げた。


・4月23日: 田植え。機械の調子や植え付け状況を見ながらゆっくり、まさに曲がりなりにも約3時間で終了。坪60株にセットして植えたのだが、苗は49箱しか使わず・・・「苗取り量」のセットが少なかったのかも。3月25日播種=苗齢約3.5(不完全葉含み)。
 植え爪は、1本更新しただけのため、他の3本とのアンバラも予想されたが、植え後の状況は、4条ともほぼ同じようで特に条間に差が見られなかった。大分錆びていた爪を、使い終わって見たら、錆が取れて光ってきたのでまだ来年も使えそうな気がする。 
 そして、余った苗を伊太知さんのハウスへ、上の写真↑の耕運トレーラで運んだ。その帰り道、今関にある左急カーブの坂を曲がりきれず、路肩の電柱ワイヤーに激突。ボクは下の休耕田に放り出されてしまった。耕運機がワイヤーで止まったので、転落して下敷きになったりケガをせずに済んだが、1人では動かせない状態になってしまった。それでも何とかしようと慌てて押したり引いたり汗だく半ベソでやっていたところ、その様子を遠望した苗主の伊太知さんが駆けつけてくれた。そのお顔を見た時は、まさに地獄で仏。感謝感謝。

田植え中(2006.4.23)
田植え後の全景(4.24の状況)

・4月24日:補植。約5時間・・・まだ足りない気がしたが。これで完了とした。
・4月30日:予定どおり除草剤を撒布しようと田に出かけたところ、幸いにも、居合わせた□□さんが「苗がまだ元気が出てないので、もう1週間ぐらい遅らせた方がいい」と言うので、5月6日に延期。そして、この間連休中で、普及員に相談出来なかったこともあるが、5月7日が大雨との予報で、撒布を8日に再延期したが、これでまず失敗。5日に撒布すべきだった。不勉強のまま、次のように失敗を重ねてしまった
・5月8日:ようやく除草剤「ミスターホームランLフロアブル」1500mlを撒布(田植え後15日、農薬カウント+3成分)。
  大雨予報で、撒布を雨後の8日にしたのだが、撒布時期が遅くなったためか、↓のようにヒエが大分発生していた(追跡写真参照)。

田植え後2週間の苗

発生したヒエ
(2006.5.8)

← この先に薄く見える

←     〃

 
鍬の上に並べたヒエ

(葉齢約1.5、草丈5〜8cm)

 

  この様子を見た古市さんや、ヤザイ?さんが、「まだ枯れるから大丈夫だ」と言ってくれて安心したのだが。
 ・・・しかし、午後になってまた見回りに行ったところ、昨7日の雨で流量が増した用水路の水が、農道の草を刈り払った草で土管が詰まって溢れ、せっかく撒布直後の除草剤入りの田に流れ込み、田の水が溢れ出ていたではありませんか。
 直ちに田への流入を止めた。一方、田から溢れ出ている水は、表面の水が流れ出ているのだろうと思い、出口はそのままにしておいた。
 それでも、かなりの量の除草剤の流出が予想されたので、
 除草剤の追撒布をしようかと、椎名普及員に電話したところ不在。岩見リーダー普及員に問い合わせたところ、追撒布はしない方がいいというので止め、もし効果が無かった場合は「手作業」で行うことにした。
 しかし、溢水の対応方法までは、問い合わせなかったため、田の溢水はそのまま夕方まで続いた。・・・撒布時期の遅れに加え撒布直後の溢水で、除草効果が無くなってしまったかもしれないし、除草剤が、排水路〜川へ流れ出て、環境を汚染したかもしれない。水の出口を嵩上げして溢水を止めるべきだったか等と、大いに気にしながら、12日まで船橋へ移動。

・5月10日:全国OB会報へ、「ちばエコ米」をPRした近況報告原稿を提出・・・収穫の秋までにどのくらいの注文があるか楽しみ。
・5月14日:畦畔の草刈り払い約40分。もう少しのところでガス欠。

5月15日の状況

 少し育ってきたのが分かるが、左隣の
古市さんの田は、既に緑になっている。

5月22日:心配していたヒエは、追跡写真のように除草剤の効果でほぼ消滅。良かった良かったと、大いに安心。
   近くを見回したところ少し枯れ残ったのがあったので、もう少し様子を見て、田の中を一通り回って除去することにした。

5月22日の状況

田植え後1ヶ月、かなりしっかりしてきたが、
左隣の緑田に比べると、どうも・・。

・5月22日の午後、吉野久夫さんに生育状況を見て貰ったところ、植え付け密度も坪60株でちょうど良い。少し植え付け本数が少ないため、まばらに見えるだけで、これから茎数が増えるので大丈夫。茎数が多くても無効分げつが多くなるだけだから・・と。そして、目標の茎数(21本の80%=17本)が確保されたら、6月には「中干し」に入るので茎数を調べると良い。などいろいろ教えてくれた。

・さっそく茎数調査:ヒエ追跡調査の3カ所+少し離れた2カ所の計5カ所で、それぞれ3株づつ行った
各株とも、茎数が少なかった。5月の日照不足が影響して、分げつが遅れているのかも(5月22日=平均4.3本)。
・5月27日大雨:この大雨で、例の用水路の土管にまたゴミが詰まって、溢れた水が我が田に大量に流入。・・・隣の田の古市さんが、ゴミを排除して流入を止めてくれた模様。

5月29日
大分元気になってきました。

・5月29日茎数調査:平均9本と、1週間で倍増していた。ヒエはほぼ全滅した。今度は広葉の雑草の双葉(約2mm)が発生。
 この後、普及所へ行き、状況を相談(約20分):今年は5月が天候不順だったため分げつが少なく、粗植え田は成績悪そう。
しかし今から追肥は、倒伏の原因にもなるのでダメ。日に1本近く分げつするので、この調子だと6月5日頃には、「中干し」に入れば良い。
そして、発生している雑草は「チョージタデ」であろうと。また、運搬用の耕運機は、車輪間の幅が狭いので、転倒事故防止に広げた方がいいと。いろいろ教えてくれた。

6月5日
1〜2本植えの所は、まだ寂しい

   (大分泡が出ている)

・6月5日:茎数調査:平均13.9本。周辺の田(4月10日〜15日に田植え)では、この日から「中干し」のため落水を始めた。・・・田植え1週間遅れの我が田では、来週6月11日ごろから落水しようと思う。
  イネドロオイムシがかなり発生して、白くなった株が散見された。一方、5月29日発生していた雑草「チョージタデ」は、見えなかった。

 
     



・ 6月12日:中干しのため落水開始。茎数は21.6本=u当たり389本と少ない。・・・田の全面がかなりまばらに見える。

6月12日

中干しのため、落水開始

1本植えは、茎数7本で寂しい

茎数=左から7−12−7


・6月19日:中干し落水1週間後。ただし、雨の日が多くて水はけ悪い
       しかも、落水のためか雑草がかなり発生してきた。

6月19日

落水後1週間

左から1本植え、2本植え、1本植え
茎数は、10本、19本、10本

この周辺約5坪は、田面が低くて水が溜まったまま

雑草の発生

小さく数本が見える


・ 6月26日中干し落水2週間後の状況。
 雨のため、ようやく茎数調査。分げつはほぼ止まった模様・・・中干しの効果かも。
 吉野久夫さんに、近況をもとに各種相談。中干し、コメの発送方法など教えてくれた。

 午後、椎名普及員に一般生育状況の資料提供を依頼。さっそく送ってくれた。
その「一般コシヒカリ」に比べると、我が田の茎数480本/uは、大分少ない

6月26日(雨=約10mm)

繁茂してきました。茎間がほとんどふさがる。

1〜2本植えも大分茂ってきました。
茎数は、左から12−24−12

中干し中。24日までにようやく干たのに、
この株の周辺は田面が低いため、25日〜26日の雨で
また、水が溜まってしまった。

干た所では、雑草が少し目立ってきました。
(6.19の写真と同じ場所)



・ 7月2日:畦畔の草刈り

・ 7月3日:6月27日〜の雨無しで、田全面はヒビ割れ。中干しはこれで十分。

7月3日の状況  
1〜2本植えも一気に育ってきました。

茎数は左から11−23−12と、やや減。

 
大分、雑草が増えて、少し育って来ました。

(6月19日、6月26日と同じ場所)

 
中干しによって雑草が発生しやすくなったようで、
茎間には、随分出てきました。
 


・  7月4日〜揚水が開始されたが、まだ我が田には届かず。5日か6日には来そう。・・・5日約30mmの雨。少し潤ったかも。

7月4日の幼穂
実物大(約3.5mm)


7月10日:穂肥(有機追肥530特号を20kg/10a)を手で撒布。北側の水はけの悪い所がやや緑が濃いので少しにして、色のアセている南西側を多くしようとして始めたのに、始めてみると、「穂肥は必ず撒布する」という説明が頭にあったため、どうしても平均的になってしまい、撒布差はワズカ。・・・これを、篤農家に話したところ、稲の状態に合わせて撒布しないとダメだ。北側が倒伏するかもと。・・・気になることとなった。

7月10日の状況

なお、近辺の「ふさおとめ」に、出穂が見られた。

雑草の生育追跡:

6.19、6.26、7.3と同じ場所

育ちの良い北側:ここには水が溜まっている。

この周辺は、倒伏に注意が必要。

7月10日の幼穂:約17mm(実物大)

これは、平均的な親茎より大きそう。


・ 7月17日:穂肥を7月10日に施して、その後の発育ムラを心配したが、それ程もムラは見られず、まずまずの生育。
急速に幼穂が生育して、葉耳間長数センチ〜10cm。あと2〜3日で出穂の走りが見られそう。
近くの圃場では、コシヒカリの走り出穂が見られた。
  〃     の「ふさおとめ」は、ほぼ出穂済み

・ 同 7月17日航空防除:ボクの田の直ぐ隣までおこなわれた。イモチ病、カメムシ対策として「アミスタートレボンSE」を撒布。
16日予定が濃霧で延期されたもの。しかし・・・

撒布状況(6時50分) 見守る関係者(7時06分)

せっかく延期して行われたのに、この日は逆に霧がヒドクなって、

濃霧中の撒布(7時26分):この数分後作業中止 作業ヘリコプター

 ボクの田も、撒布したも同様となった。このため、この田での栽培は今年1年限りとし、
来年からは、航空防除に関係ない田で栽培することとした。

・ 7月18日:「ちばエコ米認証申請書」を普及所に提出。
・ 7月21日:縄文8月号用の原稿提出(本稲作の進捗状況を報告)。

・ 7月24日:出穂チラホラ(約1分〜0.5分)、有効茎歩合は83%ぐらいでマズマズ。
 7月29日:ちばエコ米生産の、 看板立て

看板を立てて御機嫌  

・ 7月31日:ほぼ出穂完了。この分では、刈り取りは9月4〜5日。
・ 8月3日:県の担当者による「ちばエコ米」の現地審査。聞き取り調査および田圃での現地調査。
・ 8月4〜5日:米の保管庫(14俵入り)を購入、既存の6俵入りと併せて、物置兼米倉に設置。これで新米の貯蔵準備ほぼ整う。
・ 8月6日:いろいろ検討した結果、来年の栽培は、我が家の近くにある食味最高の田2区画60aに変更して行うことに決めた。
・ 8月7日:県の「ちばエコ農業情報ステーション」掲載用の写真(上の写真)を、普及センターへ送信。
・ 米のPR:8月10日、千葉県中部在住の某省OBを中心に、厳選約10通を〒発信した。
     その際、精米直後ほど美味しいし、精白度を自分の好みで出来る楽しみもあるし、価格も安いことから、玄米で購入しコイン精米所利用を勧めた。価格は、玄米30kg1袋=1.05万円白米5kg=2,250円とした。しかし、

・ 8月11日:畦畔から近い株に、籾から吸汁して米の品質を落とす「アカスジカスミカメ」虫が、チラホラ見られた。
      やはり7月17日〜の航空防除の効果が少なかったようだ。

・ 更に8月12日の大雷雨で、懸念されていた倒伏が発生。

8月17日。やや乱れているものの、この付近の倒伏は少ない。
同上。北側から見たもの。
水はけの悪い北側の水口付近を中心に、かなり倒伏。

・ 収穫まで、まだ17日〜18日を残してこの状態↑。今後の推移が大いに心配。
・ このため、8月17日:周辺の倒伏田での対応に倣って、まだ早いが落水を開始。

・8月21日:普及所から「ちばエコ農産物」の認証通知を受ける。
・8月24日: 収穫作業日程について、荻原へ相談。全体の生育が遅れているので、
     我が田の収穫は、9月9日〜10日ごろになりそう。

ほぼ成熟(2006.9.02)。

・ 稲が荒れているように見えるのは、倒伏というより、穂の重さに耐えかねて、曲がったもの。

・ 周辺では、刈り取りが進んでいる。・・・遠くに、コンバインや籾運搬の軽トラが見える。

・9月4日:台風第12号の影響を考えて、急遽、古市さんを頼んでコンバイン刈り取り。・・・慌てて、デジカメを忘れてしまった。
   穂数調査したところ、有効茎歩合=77.5%とマズマズ。粗植え分をカバー。
   このため、古市さんは、コンバインを使いながら、10a8俵以上は穫れそうだと言うし、刈り取り作業を見ていた隣の田の人も、「ずいぶん穫れそうな稲の格好だ。9俵は行くだろう・・・初心者にしては立派なものだ・・・」としきりに感心していた。関連作業を含めて約4時間で終了。 
・9月8日:籾摺り(古市さんに委託。後かたづけまで約2時間)。収量は25.3俵=507kgとマズマズ。周辺の田より多収だったもよう。
     古市さんは、籾摺りの時の選別に、高性能「揺動式」を使用しているため、麹米など不純物が排除されて、非常に綺麗な米が出来た。・・・このため、来年の刈り取り〜籾摺りの一連の作業を古市さんに頼んだところ、来年栽培する田は大分遠いが、快く引き受けてくれた。
 そして、その日の夕方、「玄米30kg入り」1個を急ぎの加藤さん宛に宅配便で発送。
・9月9日〜:宅配便で続々と発送。

・9月11日:検査。直接販売用のため、農協へ持ち込み持ち帰り検査→当然の事ながら1等。これで安心。
     他の農家の出荷もほとんど全てが1等。米質もよさそうで、この分では、 食味も良さそう。
     PR用の見本品↓も、配付開始。   

ちばエコ米シール」を貼った見本品→
    (1kgと2kg入りを作成)

・9月22日:普及所へ、栽培結果を報告。その際、椎名普及員さんから、全国の米の食味コンクールへの出品を勧められたので、9月28日に玄米2kgに提出することにした。

・9月23日: 来年からは、家の近くで隣接した30a2区画=60aで栽培し、今年栽培した田はまた古市さんに頼むことにした。
 そして、その田の荒起こしは、耕耘機では大変なので、トラクターで行うことにして隣家の吉野順雄さんに依頼した。
・同9月23日:今年栽培した田の畦畔の草の刈り払いを行うとともに、「エコ米の看板」も引き上げ。これで、この田の作業は終了した。
・9月28日:第8回全国食味分析鑑定コンクールに出品。玄米2kgを出品票を付けて普及所へ届けた。入賞を期待。・・・しかし、こういうコンクールには、それ用の栽培をした上で、更に米を2mm目で選別したりして出品しないと、入賞は難しいらしい。・・・ほとんどが審査員の食味検査まで行かずに、「食味計」でハネラれてしまうという。
・9月30日:2007年栽培用の田60aを、吉野順雄さんに頼み荒起こしを行った。
・10月1日:今年栽培した田30aを、古市さんに委託契約。
・10月日:朝日新聞千葉版に、「ちばエコ農産物」の生産〜販売が伸び悩んでいるという記事が大きく出た。・・・・・消費者には、有機栽培の方が分かりやすいためらしい。しかし、必要最小限の農薬や化学肥料を使うこのエコ栽培の方が、安定的持続生産が可能で、結局は消費者にメリットがあるとPRしたいと思う。
・10月7日:茨城県笠間市でのササ嶋ソバ師主催の「栗拾いバーベキュー大会」で、エコ米をPRした。

                 全国食味分析鑑定コンクール結果
・12月15日:食味コンクールの結果が届いた。残念ながら、予想どおり入選しなかった。・・・全国各地の食味自慢が、このコンクールのために栽培方法〜玄米の調製まで、工夫を凝らして手塩にかけて出品しているのですから、そこへただ美味い米だからと出品しても、入選しないのが当然と言えそう。
 しかし、送られてきた「分析資料集を見て大いに自信を得たのは、成分分析で「アミロース値」が特に低く、コシヒカリ出品1000数百点中。驚くなかれ3位タイ。つまり非常に粘りけがあると言う結果だったのですよ。それと、食味値は「81」と極上ランクでしたが、この程度では中位〜やや上程度でした。これは食味計に影響の大きい「タンパク含有率」が6.6%と、一般的には素晴らしい値でも、ここでの入選は無理だったようです。 

 化学肥料を少ししか使わない我が「特別栽培」では、有機質のNが遅くまで効いて、米のタンパク質を高めてしまうので、なかなか食味計で良い結果が出にくいようです。次年は追肥に「珪酸加里」を施すなどの工夫をして、好成績を上げようという、また新たな目標ができたのです。     
        

 

3 今後の主な日程 
  ・ エコ米の販売及び安全・安心超美味米のPRを続ける。

  ・ 2007年産



参考1  生育追跡調査(1週間間隔)

 ・5月8日除草剤撒布の際、既にかなりのヒエが発生していたので、苗とヒエの追跡調査を行った。
  ヒエは、5月22日にほぼ消滅したので、引き続いて苗の生育を追跡した。

     

        省  略

 

 

参考2  茎数調査結果(1週間間隔) 

   調査箇所は、調査しやすいよう、畦畔から2〜5m入った5箇所とし、各3株を有意に選定した。・・・統計マンには言えない方法。赤数字は一本植え。
   このため、1u当たりとか、収量予測には向かないが、茎数の増減状況は分かる。

調査箇所

5月22日

5月29日

6月5日 6月12日 6月19日 6月26日 7月3日 7月10日 穂 数
ヒエ追跡写真(No.1) 7−7−7 14-12-16 17-19-19 25-29-30 30-31-36 31-31-35 29-30-35 30-29-33 25-24-30
  〃    (No.2) −7  5- 3-13  7- 5-23 14-10-34 17-12-36 19-13-37 18-11-36 18-12-35 15-11-29
  〃     (No.3) 8−6−4 16-14- 8 23-21-15 35-33-22 41-40-26 39-37-26 39-33-26 38-31-24 26-23-21
並み植え付け箇所 4−5−3  8-11- 8 14-19-10 22-29-15 27-38-22 27-36-22 27-37-22 27-35-21 17-27-17
1,2本植え箇所 −2−   ・・・  5- 7- 4  7-12- 7 10-19-10 12-24-12 11-23-12 11-24-12 11-23-11

1株平均茎数

4.3本

推定 9本 13.9本 21.6本 26.3本 26.7本 25.9 25.3 20.7

1u当たり茎数

77本

162本

250本

389本

473本

480本

466本

460本

376本

  ※9月4日収穫期調査で有効茎歩合=77.5%

・6月12日から「中干し」、茎数増減傾向から見ると、最高分げつ期」は6月24〜25日頃と思われる。
・7月5日から、揚水引き入れ→「間断灌漑」始まる。

 

 

 

参考3  教訓と反省

良かった点
@ 田植機は、近所の篤農家に相談したりしながら、早い時期から探したので、予想以上に良い物が導入出来た。
A 耕耘機は、歩行型で十分役立った。・・・荒起こしも可能かどうか、試しにやってみたい。
B 肥料撒布は、面積が少ないため手作業で出来た。
C 苗作りは、「国吉匠の会員」に頼んで助かった。
D 各作業の面白さに加え、多くの人と親しくなれた。
E 思い切って普及所へ行ったこと。・・・基本を教わり、また販売面で重要な「ちばエコ米」に参加できた。
F いろいろ教わりながらやったため、収量は周辺の田よりもむしろ多かったようで良かった。
G 生産した米を友達に販売したら、美味しい美味しいと言うので、調子に乗って「全国食味コンクール」へ出品した。・・・入賞するまで毎年出品しようと、新たな楽しみが出来た。
反省点
@ 農機具での事故を起こさないように、安全第一。無理をしないこと。・・・バックで田に落としたり、曲がり角で電柱の支線にぶつかったり、ケガ寸前だった。
A 田植えは、ゆっくり植えをすること。・・・少しゆっくり植えるだけで、ずいぶん植え結果が良くなる。初めての田植えだったのに機械に引っ張られて、少し慌てて植えた所もあった。
B 除草剤撒布は、適期第一。・・・予定していた撒布日に、植え付けが下手のためか、苗の活着が悪そうに見えたので、薬害を防ぐため、もう少し苗が元気になって、しかも雨の前でなく雨後の好天続きに行おうなどと、苗の状態やお天気を気にし過ぎたりして、結局、撒布が遅れてしまい慌ててしまった。
C あらためて農業は草との戦いである:草が出たら手作業でと、除草労力を軽視していた。持続的稲作のために、最小限の除草剤は不可欠。
D 「籾を太らせるため穂肥を必ずやる・・」という説明が頭から離れず、生育ムラが明らかなのに、全株とも穂肥は必要だろうと結局平均的に撒布して、その箇所を倒伏させてしまった。手作業で生育状況が良く見るのに、何のための手作業かと反省。
E 米を直接販売し、消費者と交流するのが面白いというのに、PRがどうもうまく行かず。今後は、面積拡大に併せた販路の拡大が課題。
F 農業は、いろいろ関係することが多いし状況も変化するので、分からないことが多い。作業をする前に、ポイントを聞いたり話をしたりすること。

 

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