いすみ村 の農業生産(参考:倭の農業

    2005年12月5日、旧 夷隅村は、隣接する2村と合併して、いすみ村となりました。・・・旧O村の漁業、M村の梨、I村の米と、それぞれ特徴のある地域の合併なので、連携した発展が期待される。


T 概 要

 旧 夷隅村は、食味最高の米産地として昔から米中心の農業がおこなわれています。・・・1960年の農業粗生産額構成比で約80%が米でした(県下第1位)。2000年産でも約55%が米で県内トップクラスです。更に水田に囲まれた風太朗集落では95%以上が米(風太朗の推定)です。ただし、食味最高の反面、固い重粘土のため、以前は耕作にずいぶん苦労されたようです。
 それが近年、機械化で重労働から解放され、しかも消費者は良食味を求めるようになり、まさに追い風が吹き始めたのです。

耕地全体360°の大パノラマこれをクリック。
風太朗のメタセコイア上から見た北側の耕地
(右の方を走るのは、茂原村へ向かう広域農道、左下はボクの畑)
 




U旧夷隅村 の 水 稲主に「国吉耕地」の巡回調査結果)

 1 2000年産:春先の低温にもかかわらず、農作業の進行は早く、今年の I 村での田植えは、主に4月16日(日曜)から始まり、4月28日(金)にはほとんど終了しました。例年より3〜5日早かったような感じです。
 これは、米余りによる米価の値下がり傾向と産地間競争の激化で、1日でも早い出荷で有利販売を目論んでいるのかもしれません。また、田植え作業の機械化で、大型連休でのお手伝いをあてにしなくなったのも、この早期化を可能にしたもののようです。
 田植え期以降好天で、また夏場も予報どおり好天で、順調に生育し、成熟期も早まりました。作柄が良く、もみの重さに耐えかねて?倒伏が目立つほどで
した。今年は成熟が早く、8月末までに刈り取りは全て終了した。
 某省9月1日現在調査結果でも、全国的に生育は順調でC県では作況指数107の「良」でした。
 でも、価格の下がりがそれ以上に大きいので、生産者に収穫による心の喜びはあっても、ふところの喜びは少なかった。このため政府は、価格の下落の緊急対策を講じたので、年度後半にはかなり改善されたもよう。

 2 2001年産:3月31日の満開の桜の中、雪が降ってから、4月1日以降急に好天続きとなり、苗の生長は順調そう。そのためか、I 町の今年の田植えは昨年より更に早まった。4月15日巡回したところでは、既に約6割ぐらい、つまり半分以上、終了していた。4月28日には98%以上終わっていた。4月の好天といい、特に7月に入って雨なしのカラカラ猛暑が続いています。7月22日にはすべての圃場で出穂終了し、中には傾穂したものも見られた。まだまだこのカラカラ猛暑は続きそうだし、8月10日頃から刈り取り始まる。お盆前に殆どの家で第1回目の刈り取りを行った。収量は良さそう。
8月中に刈り取りは終了的。千葉県の作況指数102。

  2002年産:今年は特に、高温のため、苗の育ちがいいようで、昨年より更に田植が早まり、4月6日に既に田植えをした田が見られた。「国吉耕地」では、4月7日「田植え始期(=5%田植え済み)」という感じだった。13日〜14日が最盛期で、14日にはすでに75%超。20日には、田植え終期(95%済み)的状況。
・7月14日、出穂始まっていた。その後も、好天が続き、
・8月12日、刈り取り始まった。
・8月25日、約50%が刈り取り済み状況。穂が重くて、雨の重さも加わりほとんどの圃場が倒伏している。
・9月1日、刈り取り終了的状況。
・2002年産の作況指数(全国、千葉県ともに)=101

  2003年産:冬〜春に、低温で不安定なお天気が続いたが、夏場は平年並みのお天気が予想されている。
・4月13日、田植え始まる。夏場の天気は予報に反して、93年大冷害並の低温寡照。このため、水稲の作柄は、作況指数で全国90、千葉県96。・・・93年並の悪条件なのに、その割には落ち込みが少なかったのは、低温など悪条件の時期によると思われる。

  2004年産:寒暖の波が大きい春ではあるが、ボクの村では、田植えが4月14日頃から始まり、4月25日にはほぼ終了した。長期予報では今年の夏は、昨年のようなことは冷害はなさそうだし、昨年の不作によって価格が上がったため、生産者は気を良くしてか、田植え風景にも何となく活気が感じられる。そして、最近の安全安心農産物の考えから「エコ米」生産を、今年から組織的に開始した。
 そして、今年はほぼ好天続きで豊作が予想されるのである。が、しかし、昨年産の不作価格高騰による消費減で、農協等では高い在庫をかかえてしまい、本年産はかなりの安値が予想されている。8月11日刈り取り始まる。作況指数は千葉県107,全国では98(西日本の台風被害の影響)。

  2005年産:夷隅での今年の田植えは、また早まったようで、4月17日にはほぼ80%終了。7月16日早生の出穂始まる。
主力のコシヒカリの出穂は約1週間遅れの23日というところ。
8月20日〜9月10日を中心に収穫。I 村付近=「外房」での作況指数予想は98(498kg)の「やや不良」。ちなみに千葉県平均では102(収量539kg)、全国は101(532kg)。

 7 2006年産:田植えは4月8日に、ボツボツ始まっていた。4月16日には、約80%終了。まだ寒いのに、皆さん大型機械で、さっさと片付けてしまおうという感じ。



(参考)     旧 3村の農業算出額 (某省生産農業所得統計、単位1000万円)

                 2003年                               2004年

        産出額計    米   野菜   果実   畜産          産出額計  米   野菜  果実  畜産
旧 夷隅村     242    134   29     1    75            219   103    28   1    85
  大原村     194    127   44     2    14            236    89   44   2    94
  岬  村     218    121   43    27    14            198    90   43  41    15


           同上 構成比

                 2003年                               2004年
       産出額計   米    野菜   果実   畜産          産出額計  米   野菜   果実  畜産
旧 夷隅村    100    55    12     0    31             100   47   13     0   39   
  大原村    100    65    23     1     7             100   38   19     1   40
  岬  村    100    56    20    12     6             100    45   22    21    8   


注1:産出額=生産量×価格
 2:夷隅村は米中心。大原村では、2004年に畜産が爆発的に増加した。岬村の果実は、日本梨
   なお、近年の畜産は、山中で大規模に行われているため、ボクには、米、野菜、果実などとは異質な気がする。ちなみに、椎茸は林産物。
 3:大原村は、何と言っても海。倭区1の伊勢エビなど、漁業が盛んに行われている。


V 風太朗 の 稲 作 

W   〃     畑 作


■ 目次へ戻る。