2021年の水稲栽培 1 コシヒカリ(千葉エコ米16年目=レンゲ緑肥栽培8年目)  
                  2 縄文米(古代米=13年目) 



1 コシヒカリのレンゲ緑肥栽培など・・・・・2021年産米PR

  ・・・・・・  ’21年から作付面積を60aから90aに拡大。次の形式で行った。・・・・・
            ・レンゲ緑肥:60a
             ・千葉エコ米:30a

 (1) 2021年産、準備作業
    ・ 2020年9月 5日:耕耘=稲ワラの全量すき込み。
     ・   〃  9月 27日:レンゲ播種。 
                   
  (2) 2021年2月10日:第1回耕耘=レンゲ田、60aすき込み。
            3月22日:第2回耕耘=  〃。

  (3)4月14日:代かき、全90a。       

   (4) 田植え:4月23日。農協から購入苗、45箱/30a当たり。

   (5) 除草剤施用:レンゲ田(60a)は5月6日。水不足の東の田(千葉エコ米30a)は5月12日に施用。 

  (6) 生育状況

    ・ やや生育遅れ:倒伏防止には良さそう。

    ・ 中干し:やや少なめ。

    ・ 穂肥:7月12日。千葉エコ米田(30a)のみ施肥=有機追肥630特号。13kg/10a当たり。

  (7) 出穂:7月18日ごろからチラホラ走り。

    ・8月8日:台風第10号が、房総東約300kmを通過、1日中強風雨。
           雨量200mm以上(バケツ雨量計が溢れて観測不能)・・・レンゲ田、やや倒伏。 

    ・8月14日:刈り取りに向け、暗渠水抜き。

  (8) 刈り取り:8月29日午後〜30日朝、一部倒伏もコンバイン作業、ほぼ順調。
      ・翌日、籾摺り。          

  (9) 収量 : 436kg/10アール当たりと低収。しかも、 白未熟粒多発
                       品質検査が気がかりだったが、何とか「1等」。・・・・栽培開始以来16年、すべて「1等」を維持して安堵。

       ・ 白未熟粒の発生原因 : 1989年に乳白粒が多発した時にボクは、各種検討し、
           発生原因を、概略・・・台風等の強風と乾燥による一時的な転流阻害でスが入った・・・と
           いうような発表をした。・・・一方、今年の場合は、8月6日〜17日長雨と低温、
           8月7日〜8日の台風10号の強風が影響したものと思われた。
            そこで、白未熟粒の発生と気象条件の関係を検討したところ、概ね下表のようになった。


    コシヒカリ白未熟粒の発生と登熟期気象条件の関係

気象条件   2020年産  
 ○ほぼ正常
  2021年産
×白未熟粒多発
気 温
日射量
  風

 注:気温、風は茂原アメダス。日射量は夷隅ボクンチ観測。


   ※ 考察
     本2021年産の場合、低温少照、強風=乾燥風により白未熟粒が多発。
     これは、台風9号、10号に伴う長雨等、 8月6日〜17日の影響が大きかったらしい。

            このことから、白未熟粒の発生は、単なる高温障害ではなく、登熟転流を阻害する要因、
     用水施設がほぼ完備しているので、むしろ低温寡照、乾燥風等を考える必要がありそう。
                  

             そして、この長雨のため、地域の圃場では倒伏と田面軟弱で、刈り取り難渋する姿が、多数見られた。

 (10) 今後の稲作問題: その刈り取り難などの問題が、大規模農家の田に多いことである。

           大規模では、どうしても省力化で粗放になり勝ち。他の事でも散見される問題は
             @田面不均平や水管理粗雑で、除草剤の効果悪く、ヒエ等の雑草繁茂が見られる。
             A畦畔の除草を、普通は草刈りを行うところ、除草剤を使う所が増えてきた。
             B大型機械を使うため、小区画田では耕作が深くなって湿田化が進む悪循環も。
             C省力化のため、農薬、化学肥料多投の栽培になる。
             Dジャンボタニシの蔓延もあるし・・・。

              このような生産現場の状況に加え、米余り=米価の更なる下落も予想されるし、
             高齢化は進むし、後継者難・・・・ 更には、温暖化等の気候変動により、減収・品質低下が
             必至だし、今後、耕作放棄田多発か・・・?・・・と、先行き八方塞がり。

               この地域の稲作中心農業を維持するには、小規模、安全・安心栽培は大変。 やはり
             大規模化→法人化へ進まざるを得ないのかと、エコファーマーのボクは大変、憂慮している。


(次年産用) 

・ 9月25日:雨続きで遅れたがトラクターで耕耘。次年用に稲わら全量すき込む。

・ 9月27日:レンゲ播種。30アール当たり2kgを3圃場。今までの様子からこの量で十分と。
    





縄文米(古代米)の遊喜栽培
   ―――――無化学肥料、無農薬13年目―――――

  ・栽培開始当初は、ザリガニが雑草も食害したので「遊喜ザリガニ農法」と洒落こんでいたのに、
   ・最近は、ザリガニ に代わって「ジャンボタニシ」が蔓延拡大、稲を食害し欠株が多くなって困る。


           2021年

(1) 播種:4月12日。

 ・ 5月3日:ジャンボタニシ対策で、石灰窒素施用。5kg/2a=効果大。

(2) 耕耘〜代かき:5月3日。手作業での代かき。
  耕耘機の鉄車輪への交換は、筋力低下で1人では無理となったため。

(3) 田植え:5月16日。  
 
(4) 生育状況:マズマズ。

(5) 刈り取り:9月14日。雨続きで水が溜まっているのを揚水機で払い出し、ようやく刈り始めた。
     まだ田面が濡れていて軟弱だったが、バインダーが好調で40分ほどで刈り終えた。。

  ・ 9月16日:脱穀。
     天日干し・・台風14号が西日本から接近。雨がちのお天気で、なかなか乾燥進まず。

  ・ 9月22日:ようやく第1回の籾摺り、玄米約20kgを得た。・・・・・以後、数回に分けて籾摺りを行うことに。

   昨年は茶色粒混じり     今年は素晴らしい出来栄え↓        

2021年産(高品質17年産と同様
















2020年産(低品質2018年産と同様) 
     


  ・品質に 影響する気象条件: 低品質だった2018、2020年産と、高品質だった2017、2021年産
 の4年分について、登熟期の気温・日射量との関係を検討した。・・・その結果は、概ね、下表のようになった。
  
     古代米の品質と登熟期気象条件との関係

気象条件   ○高品質
2017年、2021年産
  ×低品質
2018年、2020年産
気 温
日射量

 注:気温は茂原アメダス。日射量は夷隅ボクンチ観測。
    (検討結果は、これをクリック。)
 
   考察
     このことから、古代米が低品質になる原因は、登熟期の高温・多照。
    つまり、早い話が「高温障害」で、種子の劣化ではなかった、と。
     


(6) 収量: 9月22日、第1回籾摺りの様子では、前2020年並み予想しかし、約62kgと少なかった。

        ※ 良品質で、好評。翌2月には在庫払底。





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